投資家にとって、株価の下落は不安を引き起こすものですが、高配当株にとっては投資チャンスとなる場合があります。
下落した時こそ高配当株に注目し、長期的な視野で資産価値の向上を目指すことができるかもしれません。本ブログでは、高配当株の下落について、その買い時や選び方について解説します。
高配当株とは?
高配当株とは、株式市場において、配当利回りが比較的高い銘柄のことを指します。およその目安は3%以上となります。つまり、株価に対して配当金の割合が高く、投資家にとっては配当収入が多く得られる可能性がある銘柄のことです。ちなみに日本株の配当の平均は約2%となります。
通常、企業の安定的な利益を出している、成長性がある、そして安定した配当政策を採用している銘柄が高配当株に分類されます。高配当株には、株価の上昇に儲けようという考えの投資家よりも、配当金による定期的な収入を重視する投資家に人気があります。
ただし、高配当率は業績不振によって配当カットが起こる可能性があるため、投資家は業績や配当政策の安定性をしっかりと分析し、投資判断を行う必要があります。
具体的な高配当株の例とは?
ここからは具体的な高配当銘柄の例を説明します。
JT
JTとは、日本たばこ産業株式会社の略称です。JTは、日本のたばこ産業において、最大手の企業であり、グローバルに展開している大手たばこメーカーです。
高配当銘柄とは、株式の配当利回りが高い銘柄のことを指します。JTは、高い配当利回りを誇る銘柄の一つであり、株主に対して配当金を積極的に還元しています。
具体的には、2022年3月末時点で、JTの配当利回りは約4.3%となっています。この配当利回りは、日本の株式市場全体の平均である約2%を大きく上回る水準です。
JTは、たばこ業界におけるグローバルリーダーとして、安定した収益力を持っています。また、長年にわたって蓄積されたブランド力や販売力もあります。これらの要因により、JTは株主に高い配当金を還元できる体質を持っています。
ただし、たばこ業界は、健康への悪影響が指摘され、厳しい規制や税制の変化に直面しており、長期的な収益が継続できるかは同社の課題となっています。
たばこ産業のチャートは下のようになります。
日本郵船
日本郵船株式会社は、日本の海運会社であり、国際的な海運サービスを提供しています。同社は、日本郵船グループの一員であり、主に貨物輸送に従事していますが、乗客船やタンカー、石油化学品輸送船なども運航しています。
日本郵船は高配当銘柄として近年有名です。これはコンテナ輸送運賃の相場が大幅に上昇したことで大きな利益を出すことができたためです。2023年のこれによりさらに株主還元が進む見込みです。
なお、海運業界は景気変動の影響を受けやすい業界であり、日本郵船も景気変動や燃料価格の上昇などのリスクを抱えています。それをあらわすかのように株価も乱高下しています。
下は日本郵船のチャートになります。
高配当株はなぜ下がったときに注目すべきか
高配当株の特徴として下落局面で買い支えがされやすいからです。
なぜならば、高配当銘柄は収益性が高く、配当が安定しているため、投資家にとって安定した収入源となります。そのため、株価が下がったときにも配当利回りが高くなり、投資家にとって魅力的な投資対象となります。
さらに、株価が下がったときに買い座されることで、株価が下がった原因が短期的な要因である場合、株価が回復することが期待できます。この場合、配当利回りの高い高配当株を安値で買い座することで、株価回復時には資産価値が上がり、投資家にとって利益をもたらすことができます。
高配当株を購入する上での注意点
高配当銘柄を
すでに上がりきっていないか
高配当が注目されて買われた、銘柄の場合上がりきったタイミングで買うと下落のリスクが伴います。これは下がっていたタイミングで購入した人は上がる前より高い配当に魅力を感じて購入しているため、上がった銘柄は相対的に買われず楽なるからです。
見た目の配当の高さのみで高配当株を購入すると思わぬ下落を受けることになります。
また、高配当によって過剰に人気になった銘柄は配当が出た翌日に急激に下落することがあります。どんな銘柄でも配当翌日は配当利回り程度の下落をするものですが、過剰な人気のためそのショックが大きい場合もあります。
配当に回せる利益を上げ続けることができるか
高配当の銘柄が高配当を維持するためには、企業が利益を上げ続けることが非常に重要です。なぜなら、配当を支払うためには企業が持つ利益やキャッシュフローから支払われるため、利益が低下すれば配当も下がる可能性があります。
企業が利益を上げ続けることで、配当を維持・増配することができる可能性が高まります。このため、投資家は高配当銘柄を長期的に保有することで、安定的な収益を期待することができます。
高配当銘柄を買う際には利益を維持し続けれるかを調べることが重要です。
配当性向が高すぎていないか
配当性向とは、企業が自己資金の一部を配当として株主に還元する割合のことを指します。具体的には、企業がその期において実現した利益のうち、どの程度を配当として支払うかを示す比率です。
高配当銘柄では配当性向は高ければ高いほどうれしいと思うかもしれませんが実はそうではありません。あまりに配当に回しすぎると企業の業績悪化で配当が減ってしまい、その際に株価の下落を招きます。
高配当銘柄では40%程度目安です。70%程度になると少しの業績悪化でも配当を減らさざるを得ません。
一方、配当性向が低すぎることも株主還元を重視しない経営となり企業が評価されない一因になります。
高配当銘柄を購入するまえには配当性向を調べましょう。
高配当銘柄はどのように調べるのか?
高配当銘柄を調べるにはみんかぶというサイトがおすすめです。
配当利回りランキングのページがあり探しやすくなっています。もちろん、高配当銘柄を買えば必ず利益になるわけではなく慎重な検討が必要です。
配当性向や配当の推移についてもみんかぶの個別株のページにまとめらています。個別の株の配当のタブをクリックしてみてください。
例えばJTについては下のように75.36%の配当性向となっていることがわかり、配当の推移についてもグラフで分かりやすく示されています。
みんかぶより引用
まとめ
この記事では高配当株についてまとめてきました。下落時は安定して利益を得られることから高配当株は株価が回復しやすいです。しかし、必ず利益になるわけではないため慎重な検討をしましょう。